仕掛け・コンセプトのあるジャケット&歌詞カード【メタル・ハードコア編】
メタル・ラウド系6弦ベーシスト
轟音ファクトリーのSUMI-chang(すみちゃん)です。
みなさん最近CDって買っていますか?歌詞カードを手にとって読んでいますか?
YouTubeなどの動画サイトや音楽配信・聴き放題サービスが広まるうちに、めっきり手に取ることのなくなったCDや歌詞カードたち。かくいう僕もアップルミュージックに加入してから、ほとんどCDを買わなくなってしまいました。「ジャケ買い」なんて遠い昔の話。
アーティストの表現の場として「ミュージックビデオ」が主流になった今だからこそ、凝ったCDジャケットや歌詞カードに注目してみよう!ということで、CDの棚を久しぶりにがさごそ…。面白い!と思った作品を5つ紹介します。
- System Of A Down - Mezmerize / Hypnotize (2005年)
- Slayer - God Hates Us All (2001年)
- Tool - 10,000 Days (2006年)
- Dream Theater - Octavarium (2005年)
- Fantomas - Suspended Animation (2005年)
- おわりに
System Of A Down - Mezmerize / Hypnotize (2005年)
アメリカのロックバンド「システムオブアダウン」より"Mezmerize / Hypnotize"。発売時期の異なる2枚のアルバムですが、紙製のケースを合体させると前編・後編の2枚組になる仕掛け。
アルバムジャケットの対比や、2枚を繋げたときにできるサイケデリックなアートなど「魅惑」「催眠」のアルバムタイトルにふさわしい仕掛けになっています。音源自体も文句なしの名盤です。
Slayer - God Hates Us All (2001年)
スラッシュメタルの重鎮「スレイヤー」より"God Hates Us All"。「神は我々を憎んでいる」というタイトル通り、反キリスト教を掲げた罰当たりなアルバム。
歌詞カードが聖書を模したスタイルになっており、不謹慎な落書き・冒涜的な歌詞を聖書の間に挟み込むなど徹底している。ちなみにベースボーカルのトム・アラヤは敬虔なクリスチャンらしい。どうしてこうなった。
Tool - 10,000 Days (2006年)
プログレッシブ?民族音楽チック?独自の音楽世界を展開するトゥールより"10,000 Days"。ジャケットを開けると何やら眼鏡のようなモノが。
歌詞カードにある図の通りのぞき込んでみると…奥行きのある不思議な絵を見ることができます。立体視の原理を使った仕掛けに驚き!音楽性だけでなくパッケージのギミックも独特なのでした。
Dream Theater - Octavarium (2005年)
大好きドリームシアターより「オクタヴァリウム」。アルバムタイトル通り「8」をコンセプトにした仕掛けがあちこちに見られます。
- 8枚目のスタジオアルバム。収録曲は8曲。
- ジャケットの衝突球は裏表合わせて8個。CD盤面に正八角形。歌詞カードにタコ。(他にもたくさん!)
音楽的にも8は収まりのいい数字で、ドレミファソラシドの鍵盤8個(1オクターブ)でコードが一周します。それを示すように鍵盤のモチーフが多く使われています。(ジャケットの衝突球の間を飛ぶ鳥は、よく見るとちょうどピアノの黒鍵の位置になっている!)
さらに驚くべきは、収録曲のキーが曲順にF(ヘ短調)から始まり、G(ト短調)、A(イ短調)、B(ロ短調)、C(ハ短調)、D(ニ短調)、E(ホ短調)と続き、そしてF(ヘ短調)に戻るように作曲されていること!!すごすぎるよこの人たち…。
ウィキペディアにはさらに細かな仕掛けが分かりやすくまとめられていましたので、興味のある方はのぞいてみてください。8(白鍵の数)だけでなく5(黒鍵の数)にまつわる仕掛けも多いらしく、気持ちの悪いほどにコンセプトにこだわった作品になっています。
Fantomas - Suspended Animation (2005年)
鬼才マイク・パットン率いるアバンギャルドなハードコアバンド「ファントマス」。中でもコンセプチュアルなのがこの「サスペンデッド・アニメーション」というアルバム。
曲名を見てみると
- 04/01/05 - Friday
- 04/02/05 - Saturday
- 04/03/05 - Sunday
- 04/04/05 - Monday
- 04/05/05 - Tuesday
- ....
…と、2005年の4月のカレンダー通り、日付と曜日が並ぶ全30曲。明確な意味があるのか適当に付けただけなのか…。(4月1日がパットン自身の設立したレーベルの創立記念日だから、という見方もあるようです。)
ジャケット・歌詞カードのデザインは、日本人アーティストの奈良美智さんが手がけていて、初回版のみ30ページのイラストが掲載されています。さながら日めくりカレンダーのようです。
音楽性もジャケット・歌詞カードのように、おもちゃ箱をひっくり返してパットン節で味付けしてこねくり回したようなサウンド。素敵。ちなみにドラマーはスレイヤーのデイブ・ロンバート。あなたこんなこともできるのね。
おわりに
デジタル配信・動画全盛期の今だからこそ、こういったアナログなアートが再評価されてもいいのではないでしょうか?ジャケット・アートワークで気になった作品があれば是非YouTubeで…いやいやAmazonでお買い求めください。
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